和太鼓・ガイド

和太鼓の胴に使われる木材は主に欅(けやき)です。他にもタモ、センなどの木目のはっきりしたものを総称してよばれる目有(めあり)や、合成樹脂で欅を再現したものもあります。皮は主に牛皮を用いますが、馬皮を使うこともあります。最近は合成皮革も開発され利用されています。

1.名称

2.種類

① 和太鼓の種類

太鼓の種類は大きく分けて以下に分類しています。

宮太鼓(長胴太鼓)

使用用途:組太鼓・盆踊り・お祭り・歌舞伎

平太鼓

使用用途:組太鼓・歌舞伎・雅楽・盆踊り・祭囃子・お囃子

締太鼓

使用用途:組太鼓・能楽・お祭り・歌舞伎

桶胴太鼓

使用用途:組太鼓・お祭り・歌舞伎

② 撥(バチ)の種類

バチは材質と長さ、重さで選びます。

  • 桧(ひのき)・・・柔らかいが強度もあり高級な素材として知られている。見た目、香りが良い。
  • 朴(ほお)・・・最もポピュラーな材料。柔らかく軽いが折れにくい。初心者にもおすすめです。
  • 桜(さくら)・・・粘り気があって強い。
  • イタヤ・・・少し硬めだが、耐久性がある。
  • 樫(かし)・・・硬い材質で耐久性がある。フチや胴打ちで力強く硬い音を出すのに適している。

3.寸法(サイズ)の図り方

太鼓は基本的に、太鼓を打つ面(下の左図:太鼓口径)が寸法(サイズ)となります。新規注文や修理のご依頼をいただく際には必ず寸法(サイズ)をお伺いしますので、あらかじめスケール等で測っておくと良いでしょう!また、太鼓は昔から尺貫法を用いておりますが、現在メートル法でも対応ができますのでお客様がわかりやすい方でお伝えください。

メートル法   尺貫法
30cm 1尺
33cm 1尺1寸
36cm 1尺2寸
39cm 1尺3寸
42cm 1尺4寸
60cm 2尺
90cm 3尺

4.メンテナンス

  • 使ったあとは乾いた布で全体を拭きましょう。
  • 調べやボルトのあるタイプの太鼓はゆるめておきましょう。
  • 雨などで太鼓が濡れてしまった場合はカビなどの原因となりますので、なるべく早く水分を拭き取って陰干ししてください。扇風機の風をあてて乾かしてもよいでしょう。ただしエアコンやストーブ、ドライヤーでの急速な乾燥はやめてください。

太鼓は長期間使用されますと、皮や胴や金属部分がささくれて手にささることがあります。修理が必要と思われる場合にはご相談ください。バチも同様に消耗品ですので、傷んできたら早めに買い換えましょう。

修理についてはこちらのページでご案内しております。

5.保管方法

  • 直射日光を避け、温度変化の少ない風通しのよい室内で保管してください。
  • 専用ケースに入れるか、毛布などをかぶせ、埃や急激な温度変化から守りましょう。
  • 太鼓を横向きに置いて転がらない様にくさびで止めて保管しましょう。スペース上、縦向きの保管になる場合は皮が傷みやすいので、地面につかない様にすのこや桟(さん)を敷きましょう。

三味線・ガイド

三味線の棹に使われる木材には花林(かりん)、紫檀(したん)、紅木(こうき)があり、、胴は花林で作られます。棹と胴がプラスチック製のものもあります。皮には猫の皮(四ツ皮)や犬の皮(犬皮)、合成皮革を主に使用します。犬皮が主に使われることが多いようですが、合成皮革は安価で破れにくい特性があります。良い音色のためには動物の皮がおすすめです。

1.名称

2.種類

三味線は棹の太さ、胴の大きさにより大きく分けて細棹、中棹、太棹の3種類があります。一般的に広く使われているものは細棹です。 演奏するジャンルによって長唄、地唄、津軽の順で棹は太く、胴は大きくなります。

細棹

長唄、端唄

中棹

地唄、民謡、常盤津節、清元節、新内節、小唄

太棹

津軽三味線、義太夫節

3.メンテナンス

  • 使ったあとは糸をゆるめます。糸を長持ちさせ、棹の変形を防ぎます。
  • 艶布巾などの乾いた布で全体を拭きましょう。棹とゆるめた糸の間も忘れずに。
  • 皮は汗などで汚れたときのみ拭きます。
  • 駒ははずします。
  • 撥(バチ)も乾いた布で拭きます。
  • 糸は消耗品です。切れていなくても音色と音量は変化しますので1~3ヶ月に一回は張り替えましょう。

修理についてはこちらのページでご案内しております。

4.保管方法

  • 車の中や窓のそば、暖房器具の熱風が直に当たる所は避けましょう。
  • 動物の皮の三味線の場合、皮を保護するために胴を和紙に包んでから、専用ケースや長袋に入れて保管してください。合皮の場合は和紙は不要です。
  • 皮の接着はもち米を使用しています。ぴったり張られた状態のため、自然に剥がれたり破れたりすることもあります。また、湿気や熱に弱いため、高温多湿を避け温度変化の少ない室内で保管してください。

箏・ガイド

箏は唐の時代、中国・朝鮮から伝わった楽器です。伝来以降その姿はほとんど変わっていません。本体は桐の木で出来ており、中は空洞になっているため軽く、共鳴する造りになっています。絃は13本で一の糸から十番目の糸まで数字で表し、11番目から13番目は順に斗(ト)為(イ)巾(キン)と表します。

1.名称

2.種類

箏には流派があり長さも様々なものが使われていましたが、江戸時代に山田流の箏曲に合わせ改良が加えられ、現在は流派を問わず山田流の6尺(180cm)の箏が一般的に製造、使用されています。近年では、低音用の十七絃筝や音域を増やした二十五絃箏なども登場しています。二大流派の生田流、山田流で、爪の形と演奏方法に違いがあります。

生田流(角爪)

山田流(丸爪)

箏と琴の違い

箏・琴はどちらもコトと呼ぶことが出来ますが、全く別の楽器です。箏は、箏柱(ことじ)と呼ばれる柱を絃と甲の間に立て音を調律するのに対し、琴はギターのように絃を指で押さえ音を出します。

3.メンテナンス

  • 使わない時は箏柱を外しておきます。
  • 手ぬぐいなどの乾いた布で甲を拭きましょう。甲の中央とゆるめた絃の間に布を挟んでおきます。絃を長持ちさせ、甲の変形を防ぎます。
  • 爪と爪皮は乾いた布で拭きます。
  • 移動や保管の際は上足を外します。
  • 絃は使用しているとだんだん伸びていきます。1年に1回は専門店に新しい糸に締め直しをしてもらう事をお勧めします。

修理についてはこちらのページでご案内しております。

4.保管方法

  • 埃を避けるために、専用のカバーや油単で箏を覆うと良いでしょう。
  • 上足を外し竜頭に口前袋をして立てかけておくことが一般的ですが、地震などには十分注意して下さい。
  • 直射日光を避け、温度変化の少ない風通しのよい室内で保管してください。

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